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なにより、才能値は遺伝する。
これが高い親同士だと、子供の才能値も高くなるのだ。
そして、これこそが1番の問題だった。
俺の親はどちらもこのエデンでトップクラスの実力者なのだから。
事実、先に産まれた兄貴と姉貴の才能値は全て4以上だった。
俺だけが……俺だけが落ちこぼれの烙印を押されて両親の元に産まれ落ちてしまったのだ。
みんなに劣等感を感じなかったかと言えば嘘になる。
しかし家族はこんな俺でも見下さずに接してくれたし、俺は幸せだとも思っていた。
だが、そんなことは他人に関係ないのだ。
妬みが時として悪意のある噂になり、それが陰口にも変わることも珍しくなかった。
お前が産まれて親も迷惑していると直接言われた事もあった。
でも俺が1番我慢ならなかったのは、それを聞いた家族が悲痛な顔を浮かべる時だった。
だから俺は家を抜け出した。
もうたくさんだった。
死ぬ気で鍛えて、堂々と家族と並びたい。
それが夢なのだ。
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