ep.5

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大晦日だったか、元日だったか忘れたけど、いくもさんが姉の所へ来ていた。 白いブラウスにキャメルのセーターを着ていた。 ちょっぴり韻を踏んでみた(笑) まぁ、それはどうでもいい。 姉が近所にダルマを配るという何やら町内会的な雑用に出掛けた。 暇になったいくもさんが僕のところへ来る。 黙って入って来て、無言のまま窓際まで行き外を眺める。 そして溜め息をつく…… 何だよそれ?(笑) 壁にもたれ、腕を組む。 そしてまた溜め息(笑) ね「お腹でも痛いの?(笑)」 い「何でそうなる?(笑)」 ね「じゃあ、何?」 い「アンニュイな女を演じてみた」 ね「何故に?」 い「暇だったから」 ある意味名言なのか?と自分を納得させようと考えたが無理があった。 姉が帰ってきた。 七「肝心な名簿を忘れちゃった。あっ、ちょっといくものこと見てて」 そしてまた出掛けていった。 い「見ててって何?(笑)」 ね「(笑)」 静かな昼下り、暇そうに大きなあくびをしている。 い「この前、大変だったね」 ね「何が?」 い「エブリッスタだよ。消えてなくなっちゃってさ」 ……エブリスタな(笑) ね「そうだ、いくちゃんさ、写真撮らせてよ」 い「いいけど、……脱がないよ?(笑)」 どんな写真だよ?(笑) ね「今ふと何か新しいの始めようかと思ったからさ、その表紙に」 い「エブリッスタ?……ちょっと化粧してきていい?(笑)」 ね「いいよそんなの(笑)」 い「そんなのって何?(笑)じゃ、カラコンだけ装着させて」 仮に写真使っても目は隠すけどな(笑) くちびるをキュッと結んで目力を極限まで高めている。 い「何か照れる(笑)」 い「レンズに犯される……みたいな(笑)」 ね「……やっぱりいい」 い「冗談だから、ほらっ(笑)」 1枚撮すのにかなりの体力を使った。
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