ep.11

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い「今日、うちのお父さん、朝からゴルフへ行ったんだけど……」 いくもの話はこんな内容であった。 ゴルフ仲間が、早朝いくもの家に集まる。 その中の1人に、今助手席に膝を乗せ、こちらをうかがっている少年の父親がいたわけだ。 一緒に行くと駄々をこねたらしく、仕方なく連れては来たものの、知らないおっさん連中がずらずらと集まり、萎えた彼は一転家に帰ると言い出す。 いくもの母と少年は顔見知りらしく、じゃあ、後でおばさんと一緒に帰ろうね。なんて言っていたらしい。 いくもの話が続く。 い「しばらくしたら、お母さんの友達の独居マダムから電話がかかってきて」 い「……なんかその友達……トイレの中でぎっくり腰になって動けなくなったらしくて、お母さん、私にちょっとその子見ていてって言って慌てて出て行ったのね」 七「で、連れて来ちゃったの?」 い「唯一知ってる私のお母さんまで居なくなって、スッゴく不安そうな顔してたから、つい私、お姉ちゃんとバーベキュー行く?って言っちゃったんだ……」 七「向こうの親は知ってるの?」 い「うん。電話した。お願いしますって……」 七「お願いしますか……チャレンジャーだな(笑)」 い「私、責任持って面倒見るからさ」 七「みんなで見たらいいよ。一応いくもが責任者ってことでさ」 い「いいの?」 七「いいよ(笑)」 い「……」 い「……う」 い「う、う、うわぁぁぁーん」 泣くと思った(笑) い「あんた達に何も言わずに連れて来ちゃって、スッゴく困ってたんだぁぁぁ……ぶへぇぇ」 咲「ほら、あの子、怯えて見ているからさ(笑)」 いくもが落ち着くのを待ち、車へ戻る。 姉が運転を代わる。 七「ねえ、名前教えてよ」 子「嫌だ、ブス」 七「あはは、残念だけどお姉ちゃんブスじゃないんだな、これが(笑)」 子「じゃあ、ゴリラ」 七「ありがとう♪ブスじゃないって認めてくれて~」 子「……」 七「夏休み楽しい?」 子「別に」 七「何かスポーツしてる?」 子「……サッカー」 七「そっか、そっか、サッカー楽しい?」 子「うん」 七「試合の時とか友達は君のこと何て呼ぶの?」 子「たくやとか、たっくんとか」 七「そっか(笑)」 土手を上がり下りると専用の駐車場がある。 さて、こうしてBBQ with たっくんが始まったのだ。
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