718人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
正月二日の朝。
やはり今年も姉はやって来る。
七「咲は?」
ね「着替えに帰った」
七「パンツとかなら、貸すのに?」
……始まったな。
ね「たぶん、パンツだけ替えに行った訳じゃないと思うからさ」
七「ふ~ん」
「よっ」そう言い出窓に座る。
七「お正月って静かだよね~」
ね「そうだね」
七「……」
ね「……」
僕の返答があっさりしているのが気に入らないらしい。何か考えている。
七「パンツとかなら、貸すよ(笑)」
結局それかよ?(笑)
ね「そういうのいらないからさ(笑)」
七「君、やっぱりつまらんね(笑)」
七「咲が戻ったら教えて」
「よっ」そう言い出窓から降り、自分の部屋に帰っていく。
それから1時間程して咲が帰ってきた。
咲「おまんたせ」
ね「(笑)」
ね「咲……あのさ」
咲「何?」
ね「……パ」
ね「……パンツ……替えてきた?」
自分でも何でそんなことを聞いたのか分からない。……サブリミナルか?(笑)
咲「え?(笑) 替えてきたけどさ、何?(笑)」
ね「だよね、何でもない(笑)」
本当に静かな正月だ。
七海さんの部屋へ二人で行く。
七「習字しない?書き初め」
咲「いいじゃん。やろ、やろ」
部屋の前の廊下に新聞紙を敷き、フェルトの下敷きを広げる。
よくそんなもん有ったな。
七「私からでいい?」
咲「うん」
以下【】内、半紙に書いた文字。
七「それじゃあ、行かせていただきます」
置かれた半紙に真っ直ぐ筆を立てた。
七【完膚無きまでに】
……何だそれ(笑)
咲「なるほど、じゃ次、私」
咲【叩きのめす】
…………
七「よしっ」
七【臥薪】
咲【嘗胆】
……何だよ?そのやり取り(笑)
七【八面】
咲【ろっぴ】
そこは漢字書けなかったんだな(笑)
七【死して屍】
咲【ん?】
喋れよ(笑)
七【死して屍、拾う者無し】
咲【どういう意味?】
…………
ね「っ喋れよ(笑)」
しっかりと溜めて、そして大竹さんと大江さんにするように言ってあげた。
七「じゃ今度お前な」
ね「おぅ」
七「いくよ」
七【電動】
……しまった。油断した(笑)
咲「早く(笑)」
咲「私、書こうか?(笑)」
ね「うるさいわ(笑)」
ね【歯ブラシ】
咲「つまらん」
七「ほんとに」
そんな二人+1の書き初め大会。
後片付けは、もちろん僕がした。
最初のコメントを投稿しよう!