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姉がまた帰ってきた。
夏に帰ってきて、冬に帰ってきて、こうして春も帰ってきた。
けっこうな帰りたgirlだな(笑)
ケーキを買ってきたので仕方無くコーヒーを淹れる。
エッセイも読んで下さっている皆さまはご存知かと思うけど、今日僕は学校を休んだ。
平日の昼下り、家にいる弟については特段疑問には思わないらしい。
七「新幹線で、私の隣に大阪へ出張に向かう上司と部下が座っててさ…」
七「急に上司が部下にダメ出しを始めてさ…」
七「私としては、ここでそんな話?ってなったわけよ」
何故か姉の額に小さな羽毛がついている(笑)
七「聞いてる?」
ね「聞いてるよ(笑)」
七「うるさいからイヤホンしたんだけど聞こえるくらいなんだよね」
七「上司がさ、社会人としてどうなんだ?的なことを部下に言ってるんだけどさ…」
ね「(笑)」
七「でしょ?笑うでしょ」
七「静岡まで我慢できそうになかったから、ちょっとうるさいんだけどって言ってやった(笑)」
ね「いいんじゃない(笑)」
僕の視線に気づいたのかおでこに手をやる。
小さな羽毛を取る。取った羽を僕の服の袖にわざわざつける。それから30分程話に付き合った。
映画を見ていた僕はその続きを見る。姉は自分の部屋へ行く。下校時間、外で小学生の声がする。
コーヒーをもう一杯注いで、ソファーに腰掛けて映画を見た。
10分くらい経っただろうか?玄関の方から懐かしい音色が聞こえてくる。
懐かしいが映画を見ている僕には邪魔でしかない。
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