第1話

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「雪、雹。終わりました。」 おおよそ10分弱で100枚弱を振り分け終わり、雪と雹を呼ぶ。 はぁ~い♪と2人はパタパタと資料を素早く配る。 さて、今日も頑張りますか。 机上のノートパソコンの電源を入れる。カタカタとパソコンにデータを入力する。 生徒会室に暫く紙にペンを走らせる音と、電卓を叩く音、キーボードを弾く音だけが木霊する。 おおよその資料の入力が終わったことで再び目に付く転校生のデータ。 転校生が来ることは普通、遅くとも1週間前には通知が生徒会に届くはず。 資料を見逃したかとも思ったがそれもない。毎日資料の振り分けをしているのだから。 前日に届く通知に加え、何故入学式から1ヶ月程度しか経っていないこの時期に転校するのか。 暫く資料を眺めていると他の役員も資料を片付けたのか、体を伸ばしたりお菓子を食べたり水分を摂ったりし始めた。 いつもはここから会議の議題を決めて、昼食の時間に入るのだが…… 「会長、議題を決める前に少しいいですか?」
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