第1話

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会長を見ると丁度終わったのか甘い紅茶に口をつけ、こちらを見る。 コトリとカップをコースターに置き口を開く。 「さっき言っていた転校生とやらのことか。」 そうです、と立ち上がり、会長の元へと行く。 「資料ですが、今朝届いたようです。そして来るのが……」 「明日……?」 資料を手にし、訝しげに呟く。 「えぇ、来るのは明日らしいです。そして通知が来たのは今日。この時期に転校してくることを差し引いても十分可笑しいです。」 「何何ィ~?転校生ぇ~?」 「転校生です。」 「何か♪」 「問題が♪」 「「あるの~?」」 さっきまでお菓子を広げていた翔豪と雪、雹がとてとてとやって来る。柘榴は興味津々にこちらを見てますよ。 「今年入学したての学校ですでに問題を起こして退学のところ、理事長の甥っ子と言う事でこちらで引き受け、結果転校という形で穏便に進めたようですね。」 「細かく書いてあるんだねぇ♪」 「個人じょーほーダダ漏れぇ♪」 「どんな顔してんの~?」 翔豪が資料を覗き込む。 「それだな。違和感があったが……この資料、写真貼ってねぇ。」 「事細かく記しているかと思えば、写真が無い……何なんでしょうね。」
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