143人が本棚に入れています
本棚に追加
「な、なぁんか凄いことがあったのはわかったよぉ~……」
何故翔豪は顔が引きつっているのでしょうね。
「凄いどころじゃありません!もう二度と会いたくないですね、あんな低脳な毛玉。というか遅刻を風紀に報告しないとじゃないですか。その処分を言いに……また毛玉に会わないといけないじゃないですか!?」
がっくりと項垂れる。はぁ。誰か私に安らぎを……
「れ……?大…じょぶ…?」
いつの間にか、柘榴は私の好きな紅茶を淹れてきてくれたらしく、辺りに落ち着いた香りが広がる。
だらしもなく、安心して口元が緩む。
「嶺…が…ばった…えら…い…!」
柘榴が頭を撫でてきた。初めは恥ずかしいやら情けないやらで少し抵抗したが、たまにはいいか。と身を任せた。
温かい手が安心させる。
「まぁ。よくわからんが御苦労。」
会長が缶コーヒーを飲みながらの言う。
なぜこの人は裕福でありながらも私が居ないと缶コーヒーを飲むのだろう?
しかも何故かさまになっているから苛々する。
「嶺ちゃんお疲れー!」
「大変だったねぇー!」
「「ていうかかわいー!!」」
可愛い?雪と雹は何のことを言っているのだろう。
しばらくぼぅっと考える。未だ撫でる柘榴の手に、仕事が山積みなのに眠くなってきてしまい、暫くしてから意識を手放した。
最初のコメントを投稿しよう!