第1話

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皆さん初めまして。私の名前は東条 嶺【トウジョウ レイ】と申します。 僭越ながら私、この東奥学園高等部の生徒会副会長をさせて頂いてます。 まぁ実力ではなく、顔?という選ばれ方には些か不満がありますが。 「れ、嶺サマ?」 キャアアァアア!!嶺サマぁあ!? 最初に声を上げた生徒を皮切りに周囲に居た生徒の壁が騒がしくなる。 チッ。相変わらず騒がしい連中だ。 最初に声を上げた生徒のせいですね。 少々頭にきました。私は騒がしくされるのが大嫌いなので。 叫ばれる位なら抱き着かれる方がまだ許せる程。 最初に声を上げた生徒のところへ歩みを進める。 徐々に顔が赤くなったかと思えば、何かに気付き青ざめる。 今更思い出したようで。 「なんでしょう。私に何か用があって呼んだのでしょう?もし用も無しに呼んだのであれば……いぇ、そのような愚鈍な人間などこの学園に居るわけないですよね?」 そこまでアタマに来たわけでもないので笑顔を浮かべる。 「ぁ…ぅ…」 青ざめた生徒は言葉として成立しない声を発する。 そんなに怖いですかね?少しやり過ぎたのですかね? 仕方なく泣きそうになっている彼の頭に手を乗せ、緩く撫でる。 「以後気をつけてくださいね?」
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