第1話

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そろそろお湯も湧いたと思うので再び簡易キッチンに戻る。 ここは俗に言うお金持ち学校、らしく通っているのは全国トップクラスの頭脳を持つ特待生か、名家の御曹司など。 九割が御曹司であるためその親からの資金援助の額は多大なものになり、結果。 簡易キッチンのはずがまるでモデルルームのキッチンのように広く、備品は高級カップばかり、という結果になった。 私は自分のお気に入りの茶葉であるアールグレイの缶と緑茶の筒を取り出す。 急須とポットを取り出す。どれも高級そうな物だ。 急須をお湯で温め、お湯を捨てる。茶葉を入れ、お湯を注ぎ蒸らす。その間にポットに茶葉を入れるべく、缶の蓋を開けた。 ふわり、と香る紅茶独特の香りに思わず顔が緩む。 「ねぇ~嶺ちゃん♪」 「僕たちのは~」 「「ミルクティーにしてねぇ~」」 ドアの隙間からひょこりと顔を出し、キョロキョロとしながら言う雪と雹。 「ふふ、分かってますよ。」 思わずクスと笑いながら言うとやったぁ~!!と走り去る。 緑茶の茶葉を取り出し、捨て。 紅茶をカップに注ぎ、緑茶を湯のみに注ぐ。 緑茶は軽く冷まして、紅茶は五つのカップに注ぎ。 うち二つにミルクを。残りの三つのうち一つはそのまま、一つは適度に砂糖を入れ、残りに角砂糖を5個入れる。
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