まずは緑黄

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緑side 収録終わりの楽屋 なんかまだ悶々としとる.... お互い今日はこれで終わりなはずやから飯にでも誘おうかな.... 声をかけようと近付いたら少し鼻をすする音 まさか.... 「泣いとるん?」 近付いたのに気付かんかったんかたれ目を見開いてこっちを見てる その目には涙が浮かんでて あー、俺が泣かしてしまったんやって直感で思った 泣いてる子を見てたらどしたんでも泣かないででもなく なぜか 「大丈夫やで」 ってギュッと抱きしめてた 普段なら泣いてても離せだのなんだのと素直じゃないこの子が 「おん....」 って一言言って抱きしめ返してくれるから もっとしっかり抱きしめた 「一緒にご飯食べよ?」 そしてたくさん話そうっていう意味を込めて 耳元で言うと 「おん。たくさん話したいことあるねん」 って。 やっぱり感じ取ってくれたんやねって 話したいことあるんやねって そう思った 名残惜しいけどその子を少し離して みんなに挨拶して楽屋から出た その間もずっと手を握ってて 素直じゃないこの子がこないにするなんて そんなに寂しい思いさせてたんかって不甲斐なくなる 車に乗せて、どこ行きたい?何食べたい?って聞けば 「どこでもええよ、一緒におれるならどこでも」 下を向いたままやったけど耳は真っ赤で 照れながらも素直にそう言ってくれた子に愛しさがこみ上げてきて 「せやったら俺がなんか作ろか、んで2人でゆっくりしよ」 そう言ったら耳を真っ赤にしたままコクりと頷いてくれた
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