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少年は目を覚ました。が、快い目覚めとは言い難い。
窓の外を見れば、いつもと同じ風景。
部屋の中も散らかりはしているが、昨日と遜色ない。
ーー違うのは、心境だけ。
さっきの夢は何だったのだろうか?
まだ鮮明に目に焼き付いている。
逃げ惑う人々、全壊した街、
そして…………………?
思い出せない、最後の場面で映ったものが。
最も衝撃的だった筈なのに……。
「おーい、起きてきやがれ"アラン"!」
「……もう起きてる、今行く…」
一階から呼ぶ野太いその声で一度思考を中断し、少年は部屋を出た。
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