学園祭~後編~

18/21

15人が本棚に入れています
本棚に追加
/155ページ
愛琉が唄う。 それに合わせて観客が乗る。 そして俺がギターで奏でる。 弾きながら愛琉のことを見ているとすげーやって良かったと思えた。 めっちゃ楽しそうで、自分の歌を誰かに聴いて貰うのをただただ喜んでいるのを感じる。 一応一緒に練習はしてきたからさ、この日にどんだけ思い入れがあるかはわかる。 ………そして、唄い終わる。 会場からは大きな拍手と歓声が沸いた。 それを見て愛琉は目をうるわせているのがここからでも見えた。 けど感動するのはここだけじゃなかった。 歓声のあとすぐにそれがアンコールに変わったからだ。 ''アンコール!!'' ''アンコール!!'' これほどまでにうけるとは… まぁみんな愛琉に対しての拍手や歓声なんだろうけどね。 それよりアンコールどうすんだろ? 練習していたのはこの曲だけなんどけど。 アンコールを聴いて愛琉は俺の方に近付いてくる。 「ねぇ柚李、なんか弾ける曲ってあったりする?!」 うわー、無茶なお願いきたよ。 ……つっても俺が弾けるのなんてあんまないんだけどなー。 「んー、あんまないけど一応弾けるのはー………」 と、一応弾けるやつを愛琉に伝える。 そうすると愛琉は唄える歌があったのか、 それだっ!! と言う感じで手を叩く。 ………とまぁ、なんとか1曲だけどアンコールの歌を用意出来たので、それからもう1曲大歓声の中で唄うことが出来た。 あんまギター上手くないからそんなに披露したくないんだけどな… ……あーあ、あんな楽しそうに唄われたら文句の1つもいえねーな。
/155ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加