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まぁ痴漢を目撃したところでどうしようかなって感じなんだけど、助けた方がいいに決まってるよなー…
少しめんどくさくなりそうだしな…
と、少し考えていると、隣にいる愛琉が
「ねぇ柚李、あの人すごい嫌がってるよ…」
えぇ、まぁそれは見ればわかりますけども。
………しょーがないか、
手短に終わらせるとしよう。
俺は覚悟を決めると、少し離れたところにいる痴漢しているおっさんに向かって電車の人を避けながら歩き出す。
----俺が近づいているのにも気付かず続けるおっさん。
なんでこんなアホが世の中にはいるんだろ?
ふと後ろを見ると、愛琉がじっと手を握りながらこちらを見つめてる。
そんな心配しなくてもなんとかするって。
心の中でそう言いながら俺はおっさんの耳元に顔を近づける。
そして一言…
俺がそっと魔法の言葉をささやくと、おっさんはすーっと俺から離れていく。
よし、うまくいったみたいだ。
もう一度愛琉の方を見ると安心したのか、顔を緩ませて笑っていた。
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