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「だめ…かな?」
いや、駄目もなにもこんな答えは予想してなかったから何て言えば良いか分からない。
---- 少し考えてから俺は言った。
「それ、本気なの?」
「うん、私ね、一曲だけ自分で作った唄があるんだ!ちょうど柚李にも聞いてもらいたいしいい機会かなーって思って!」
てか、いつの間にそんな歌作ったんだ?
それに愛琉ってメロディー作るくらい楽器できんのか?
「ただ私なにも弾けるものがないから楽器でのメロディーは作れてないんだ…私が唄えるだけ…だからメロディーとかは柚李と未来先生頼みになっちゃうんだけど……」
愛琉は困ったように言った。
けど愛琉が本気でやりたいんだな、って言うのは伝わってきた。
「いいんじゃないか?だって愛琉にとってはこの学校での最初で最後との学園祭だ、最後くらい自分のしたいことで楽しもうぜ。…演奏の事なら未来先生に頼めばすぐコードとかも作ってくれるさ。」
それに…俺もどうせやるなら楽しめるようにがんばりたい。
愛琉みたいに少しくらい前を見ていけるように。
「本当に……いいの……?……すごいうれしい!!!!ありがとう柚李!!!!」
興奮した愛琉がいきなり抱きついてきた。
「なにいきなり抱きついてんだよ!お礼はいいからどいてくれ…!!!」
「やーだよー!」
そういって更に力を強めてくる。
「おい!やめろってばか!こんなとこ誰かに見られたらどうす-------------!!!!」
「あ、柚李。」
そう誰かに呼ばれて振り返る。
こんにちわ未来先生。
今日はお早いお帰りですね…
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