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「ん…」
二度と目覚めることはないだろうと思っていたのにあまりにもあっさりと目が覚めた。
『やあ、目が覚めたようだね。』
視界に映るのはしゃがんで人の顔を覗き込んでくる金髪ミディアムボブの美少女。
「どちら様ですか?」
全く持って見覚えはない。
『あたし?あたしは神様ってやつだよ。』
「神様はそんな若くないと思う」
若いというより幼い、だけど…
『幼いって…君の数百倍は長く生きてるよ?』
そうは見えない。
私の前にいるのは、どう見てもまだ11歳前後の少女なのだから。
「って!何で心の声が!?」
『これでわかった?あたしは神様だ。』
ニッ、っと口角をあげて笑う。
『あと、あたしは人間でいう17000歳だ。』
「私の……七百倍か」
『いやいや、千倍だから。こんな簡単な計算も出来ないのかい?』
「いや、まさかボケただけだよ」
場を和ませるというか、自分の気持ちを落ち着けるためにしたボケだ。
「んで、何で神様が?」
『ああ、単刀直入に言おう。……君は死んだんだ。』
「…だろうね」
『驚かないんだね。』
「鉄骨が三本も頭上に落ちて来て生きてるとか化け物かって話だし。私が聞きたいのはそこじゃなくて。」
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