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「んとね。記憶喪失っぽいんだよね。だから魔法の使い方とか戦い方とかは何とか体が覚えてるみたいだけど、あとは、あんまり覚えてないんだ。」
ここで苦笑いをする。
よし!完ぺきだね!!
「そうなんですか…。じゃあ、取り敢えず私の家に行きませんか?」
「ん~。そうだね。ここは危ないし、あ、あの子もいい?」
「うにゅ。」
リツは一声鳴いた。
「はい。もう大丈夫そうですし、いいですよ。」
「よし行こう、リツ。…タミラ、案内よろしくね。」
「はいっ!家までは時間がかかりますから今夜泊まる宿に向かいますね。」
「うにゅ…わかった…。」
「了解っ♪あとリツ、なんでタミラを襲ってたのか教えてね。」
「うみゅぅ…ママの匂いがしたの…。」
切なそうに鳴き少しうつ向いた。
「ママ?」
「ママ…ずっと前に…私を置いて…どこかにっ…」
ついに泣き出してしまった。
私はそっと抱き締め、
「そっか…私についてきたらそのうち見つかるかもよ?」
「うん…ユウリ…ありがとう…」
「また、私を無視して二人の世界に入らないでくださいよ!!っていうかリツさん、なんで角と尻尾生やしてるんですか!?」
「私…ドラゴン。こっちの方が…楽。」
「本当だ、いつの間にか生えてる。」
「ユウリは…イヤ…?」
「ううん、別にいいんじゃない。」
「二人共、宿につく前に日が暮れますよ?」
「そう?」
「はい。ぜったいに。」
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