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痛いと感じた体は重いだけで、ゆっくりとではあるが、私は立った。
それから私はもう一度、橙色に光る電球を見つめた。
この部屋と思わしき場所の灯りは裸電球だけである。
か弱くも思えるその橙色の灯りを元に、把握しなければ、と私は格子の間から見えるこの部屋の中、見える物に目を凝らす。
裸電球は私が入れられている牢の中まで伸びているわけではない。
五メートルほどか、前方の上にそれはあり、おそらくこの部屋の中心にあるようだ。
ようだ、というのはその向こうにも私を囲んでいる牢のような鉄格子が薄っすらを見えたからである。
本当にやや薄っすらなので確証はない。
それよりも肝心の人、という生き物がまだ見えない。
最初に見たフランス人形だけが人のように私を見つめ、私の視線を奪う。
フランス人形は裸電球の真下ではなく、私の後ろに座っている。
裸電球を中心として、その真逆の位置にいる。
床にではない。
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