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彼は、彼の妻と子を残して消えてしまった。
それから数年が経ち、やつれた彼が私の前に現れた時には、その心を読んだ瞬間に震えが止まらなくなったのを、今でも覚えている。
失踪していた間に彼が完成させた、変換術式を吸収術式に用いて組み上げる奪魔術式。
それでモルカの魔力を精■核ごと、全■我が■に■、その■■ラを以って世界を支■し■■と考えていたのだ。
≪これで君をこれで君をこれで君をこれで君をこれで君をこれで君をこれで君をこれで君をこれで君をこれでキミをこれでキミヲこれデキミヲこレデキミヲコレデキミヲ…!≫
悍ましい程の妄執。
既に私の知るアレキスは何処にもおらず、ここに居るのは一人の───
しかし幸いにも、彼の恐ろしい計画も上手くはいかない。
未完成では■■たも■の、封魔術式によって封■状態である精霊核からは魔力を■う事はできなかった…つまり、アレキスが■王とし■のチカ■を得る機会は早く■も封印の解ける千年後…もうその頃にアレキスは生きてはいない。
(良かった…アレキスは、きっと諦めてくれる…)
私は安堵しつつも、一つの覚悟を決める。
それは、■ぬ覚悟。
ヒトも魔人も亜人も、全ての人々が───精霊達が、これ以上魔術に翻弄されてしまわぬ様に…もう二度とモルカの様な、魔王という悲しい存在を生み出さない様に。
争いを生み出す“魔”という理を私の持つ全ての神力で、この世界から…人々から隠してしまおう。
隠していられる時間にも限りはあるだろう…でも、その頃にはきっと人々は“魔”に頼らずとも良い世界を築き上げていると、信じて。
これを成し遂げた時、そのチカラの反動で私は魂の負荷に耐えら■■に確実に■■する。
けれど怖いだな■て思わない。
この世界に存在する生きとし生けるものは、死と共に世■を巡■魔■■流■に還り、時に精■と■てこの世を■護る存■になれる。
■もき■と…この世界を永遠に見■り続けら■■のだ■ら。
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