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『星、見ています‥‥りくさんは、今、どこですか?』 俺は‥‥薫の傍にいるよ 【今、外にいる】 『寒くないですか?風邪を引かないようにしてくださいね』 ペンションに戻り、薫の部屋の前に立つ 何が君を悲しませているのか判らないが、そこで一人で泣いているのか? 俺が、それを癒してやることは出来ないのだろうか‥‥ 悔しい思いで部屋に戻ったら、高橋は、眠らずに待っていた 「スミマセンでした」 俺から写真を受けとると、一枚一枚確認していく 「これこれ、俺の傑作になるッス」 差し出された写真は、西陽を使ったシルエット写真 キスをする一秒手前のカップルのシルエット写真を欲しいという高橋のいう通りに動いたが 「これ、こんなに逆光じゃ部屋の雰囲気もわからないじゃないかよ」 ペンションの広告という意味では失敗作だ
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