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翌朝、まだ眠っている高橋をそのままに身支度を整えて食堂に行く キッチンスペースには奈美恵さんの調理を手伝っている‥‥薫がいた 「西嶋サン、オハヨウゴザイマス」 エプロン姿が眩しい 「‥‥朝から張り切ってるな‥‥」 昨日から、薫と話す時に戸惑う俺がいる 今までのように『ポン』とも呼べず、『薫』とも呼べず ‥‥今さら『江口』とも呼べないし 「これ、テーブルに並べてください」 色鮮やかに盛り付けられた食事の皿を俺に手渡そうとする 「か‥‥‥お前、人使い荒い‥‥」 薫‥‥と言いそうになった 皿を受け取り並べながら、平常心を保とうとする 「薫さぁん、スープのお皿はこれよぉ」 奈美恵さんが薫と呼ぶ声にも敏感になる この二人‥‥いつの間に、こんなに仲良くなったんだ 「西嶋サン、高橋さんは?」 「まだ寝ていた」 「ご飯ですよ~って起こしてきてください」 だから、人使い荒いって‥‥
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