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女性の部屋に長居も躊躇われたので、自分の部屋に戻ることにする 「‥早く元気になれよ」 小さく呟いた声に反応するように、薫が何かを言った 「‥‥い‥ス‥キ‥‥」 ‥‥‥すき‥‥‥ そう聞こえた 「佑香、あとは頼むな」 部屋に戻り、会社に電話を入れる 色々な仕事を放り出して来てしまった 『江口、どうッスか?』 電話に出た高橋の第一声がそれだった 「風邪をこじらせただけらしい‥‥数日休めば大丈夫らしい」 『みんな心配してたッス‥‥あ、チーフの仕事はなんとかしましたんで大丈夫ッス』 現場回りはすべてキャンセルで、締め切りが今日のデザインも明日朝イチまで時間をもらってくれていた
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