第04章 哀[あい]

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「がふっ……このぉッ!!」 そしてルシフェルは思いの限りに足掻いた。1秒でも多く時間を稼ぐ。しかしそのルシフェルの思いに反し、再び意識が遠のいていく。 (タイム……オーバー……?) 意識を保とうとあがらう気持ちごと、根こそぎ引きずり込む暗闇。 「子供達は我が守る───── 我が───── ……─── ……ァああああああああぁッ!!!!」 世界樹の力ではない。 もちろん”レインカネーション”の魔法でもない。 しかしルシフェルの精神は肉体に留まっていた。ルシフェルは自力で精神と肉体を表皮1枚でギリギリ繋ぎ止めたのだ。 ─────決着の刻。 菱王は”グラビティインパクト”。 レッドは”フレイムブレイド”。 互いが最大奥義を繰り出す瞬間、父が子を想う気持ちが奇跡を生んだ。 ルシフェルが作り出した菱王の隙はほんの一瞬。 だがその一瞬こそユキレンジャーを救うには十分過ぎる一瞬だった。
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