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敵の右パンチをあっさりとかわすと、火炎を腹部へと叩き込む。
倒れ込みのたうちまわるモンスターの首根っこを掴むと、ルシフェルは言った。
「"ぬらりひょん"の所へ案内しろ」
モンスターは呆気なく降伏し、大人しくぬらりひょんのアジトへと案内した。
山奥の入り組んだ地形の先に、目立たない様に口を空けた洞窟の入り口を通り抜けると、中はかなり広い空洞になっていた。
そして目の前に広がるのは異常な光景。
老若男女様々な人間が、モンスター達の感情の赴くままに利用されている、まさに地獄絵図だった。鎖に繋がれ、一様に汚れきった衣服をまとった人間達は、見渡す限りの全員が怯え、疲れ、正気を抜かれた表情をしている。
それは疑う事無く”生きる為”の上下関係ではない事を表していた。
「クズどもが……」
そう呟いたルシフェルに、1匹のモンスターが警戒を含んだ喉音を鳴らして近付いてきた。
しかしそのモンスターを押しのけてルシフェルは一括した。
「"ぬらりひょん"はどこだ!?」
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