第01章 逢[あい]

13/46
前へ
/117ページ
次へ
敵の右パンチをあっさりとかわすと、火炎を腹部へと叩き込む。 倒れ込みのたうちまわるモンスターの首根っこを掴むと、ルシフェルは言った。 「"ぬらりひょん"の所へ案内しろ」 モンスターは呆気なく降伏し、大人しくぬらりひょんのアジトへと案内した。 山奥の入り組んだ地形の先に、目立たない様に口を空けた洞窟の入り口を通り抜けると、中はかなり広い空洞になっていた。 そして目の前に広がるのは異常な光景。 老若男女様々な人間が、モンスター達の感情の赴くままに利用されている、まさに地獄絵図だった。鎖に繋がれ、一様に汚れきった衣服をまとった人間達は、見渡す限りの全員が怯え、疲れ、正気を抜かれた表情をしている。 それは疑う事無く”生きる為”の上下関係ではない事を表していた。 「クズどもが……」 そう呟いたルシフェルに、1匹のモンスターが警戒を含んだ喉音を鳴らして近付いてきた。 しかしそのモンスターを押しのけてルシフェルは一括した。 「"ぬらりひょん"はどこだ!?」
/117ページ

最初のコメントを投稿しよう!

48人が本棚に入れています
本棚に追加