48人が本棚に入れています
本棚に追加
空気が変わる。
モンスター達はルシフェルを取り囲み、人間達は希望の眼差しで状況を見守る。
「……誰ダ、オ前ハ?」
ルシフェルを取り囲むモンスターを掻き分け、目の前に現れた1匹のモンスターは、成る程他のモンスターとは格の違いを見せつける雰囲気をまとっていた。
「お前が、ぬらりひょんか?」
「ソウダガ、ダッタラ何ダ?」
適度な距離を保つ2人に緊張が走った。
─────こうして、今に至る。
余裕を見せるぬらりひょんに、ルシフェルは無機質な表情で呟いた。
「……"双火龍"」
ぬらりひょんは攻撃された認識すら無かっただろう。それ程勝負は呆気なかった。
両手から放たれた螺旋の炎は、一瞬でぬらりひょんを炭へと変えていたのだ。
「ふん……まだ戦意のある者はいるか?」
周囲に殺意を振りまいたルシフェルに対し、主人を失ったモンスター達は蜘蛛の巣を散らす様に逃げていった。
(ここを案内させたモンスターと言い、ただの虎の威を借る狐の集団だったな。ぬらりひょんを慕っていたり、”テンプテーション”で支配された集団ではなかった訳だ)
最初のコメントを投稿しよう!