第01章 逢[あい]

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空気が変わる。 モンスター達はルシフェルを取り囲み、人間達は希望の眼差しで状況を見守る。 「……誰ダ、オ前ハ?」 ルシフェルを取り囲むモンスターを掻き分け、目の前に現れた1匹のモンスターは、成る程他のモンスターとは格の違いを見せつける雰囲気をまとっていた。 「お前が、ぬらりひょんか?」 「ソウダガ、ダッタラ何ダ?」 適度な距離を保つ2人に緊張が走った。 ─────こうして、今に至る。 余裕を見せるぬらりひょんに、ルシフェルは無機質な表情で呟いた。 「……"双火龍"」 ぬらりひょんは攻撃された認識すら無かっただろう。それ程勝負は呆気なかった。 両手から放たれた螺旋の炎は、一瞬でぬらりひょんを炭へと変えていたのだ。 「ふん……まだ戦意のある者はいるか?」 周囲に殺意を振りまいたルシフェルに対し、主人を失ったモンスター達は蜘蛛の巣を散らす様に逃げていった。 (ここを案内させたモンスターと言い、ただの虎の威を借る狐の集団だったな。ぬらりひょんを慕っていたり、”テンプテーション”で支配された集団ではなかった訳だ)
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