第01章 逢[あい]

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(─────左手が無い) 土魔法を出す際に突き出した左手が切断され、宙に舞っているのだ。 「……まったく……」 呆れた様に呟いた後、追撃態勢を解く。右手から漏れる魔法を消すと、相手も気持ちを落ち着かせる。 左腕に力を入れると、ブシュと小さな音を立てて流れる血が止まる。 「……流石、噂通りだな。草薙幸村」 地面に落ちた左手を拾いながら、相手にそう言うと、"草薙幸村"と呼ばれた男も、持っていた剣を鞘へと仕舞いながらそれに返す。 「お前こそな─────ルシフェル」 ─────栄貞6年。 つまり首相榊貞一が独裁政治を始めて6年の歳月が経ったこの年。 たった1つの、しかしここ"ワノクニ"の運命を大きく変える出逢いがあった。 これが、ルシフェルと草薙幸村、2人の始めての出逢いだった。
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