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「─────で、さっき話の途中だったな。何の話だっけ?」
吉乃が幸村の回復に当たっている為、食事の用意はまだ少し時間がかかる様だ。火をつけたタバコの煙をふぅと吐いた幸村は、ルシフェルにもタバコを勧める。それをジェスチャーで断ったルシフェルは、幸村の問いに答える。
「我が地上に堕ちた理由……であろう?」
「そうだった」と幸村は頷く。
「我が元々天使だったと聞いて、その場で信用する者なぞ、始めて見たがな」
「あ?俺と対等に戦える奴なんざ、人間にゃいねぇよ」
幸村の反応にいちいち苦笑いしていたルシフェルは、しかし遠い目をして語った。
「"決別"と"運命"の為……と言えば良いのか」
その短い言葉と口調に、幸村はルシフェルの空気が変わるのを感じとる。
「─────”神”という存在は、なぜそう呼ばれるか分かるか?」
質問の意味が分からない幸村は、無言で肩をすくめる。
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