第01章 逢[あい]

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「思う所は同じらしいな。対モンスターという意味で、あの建物を評価するなら0点だ。外見を重視しすぎて、攻略の穴がありすぎる」 「くっく……やっぱりあんたとは気が合うよ。天下の榊貞一が造った城だぜ。公の場でそんな発言したら、無実の罪が10個は付いてくる」 「そんな事より、その周りの物々しさは何だ?駐屯地みたいな建物があって、ごつい兵士達が沢山いたぞ」 「ああ、"ぬらりひょん"ってモンスター知ってるか?この近くで悪さをしててな、その討伐の為に隊が編成されたんだ」 「聞いた事はあるが……そんなに強いのか?」 「国を滅ぼす力を持つ、と預言者は言っている」 「それ程か」 「ははっ、真に受けるな。その預言者も貞一のお抱えさ。大々的に討伐隊組んで倒せば、それがパフォーマンスになる。その間にも国民が苦しめられてるにも関わらず……な」 「酷い話しだ……」 「いや、変な話し振っちまって悪かった。話題を変えよう。えぇと、この世で最強の魔法って、何だと思う?」 「くくく……何だ、その不自然な話題変換は?」 笑い合う2人。 幸村は、そしてルシフェルはその日心から笑い合った。何十年来の友人の様に笑い合い、酒を酌み交わした。 こうして、時間はあっという間に過ぎていった。
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