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「あぁあ、米がみんな潰れちまうよ……あぁ……だめだ、ぶちぶち潰れて、擦れて、身体中に米粒がついて、それもすりつぶして……あ、まるで糊みてえだ!てめえ、やっぱり糊の容器!?」
…バカにしてんだろ?私はそもそも禅宗の開祖で、サンスクリット語で……
「身体中、米粒だらけじゃなんの威厳もねぇぞ」
…達磨やダーマの語源…
「スゲエ、ダーマってあんたか!」
…それ、食いつくんだ?
「頼む。旅人から遊び人に転職してえんだ!」
…大して変わんねぇし、ドラクエじゃねぇよ
「にしても、握り飯食うのは無理があるな」
…気持ちだけでありがたい。供え物とはそういうもんじゃ
「急に偉い人みてえだな。米ちらかしてもんじゃみてえにしてるくせに」
…だから、バカにすんなよ。仕方ないだろ、手がねぇんだから
「いつも供え物は生米なのか?」
…生米はたくさんあるんでな。もう充分なんだが……やはり硬くてよう食わないんだ。握り飯は無理でも、炊いた米の方がうまそうだな
「自分で炊きゃあいいじゃねぇか?」
…炊く?この体で?
「やれるかも知れねぇよ。ちょっとやそっとで諦めるような奴が説教しても誰も聞きやしねえぞ」
…てか、己の食欲の為に努力する奴の話もどうかと思うよ
「ならてめえは、一生、鳩みてえに生米食ってやが…」
…ほかほかご飯が食べたいです!
「よし、初めから素直になりゃいいんだ。よし、貰った生米、まずは水に浸してみろ」
…そこらへんは器用なんでな、手足がなくても水は自由になるんじゃ
そう言うとさすが大師様、人智を越えた力で、ダルマの足元に水の張った竈と生米が現れた
「その力でなんとかならねえのか?ま、いいや、それでまずは米を洗うんだ」
ダルマは、体全体を、ぽーん、と高くあげ、竈の米の上に降り立ち、体を揺するようにして米を洗い始めた
「なってねぇな。そんなんじゃせっかく炊いても糠臭くて食えたもんじゃねぇよ」
…む、ならこうか?
ダルマは体を転がし、米を体で押したりするが、いかんせん手も足もないからどうも上手くいかない
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