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なになに…。
――――
第一章 【総 則】
第一条
(名 称――学校規則)
本、規則名称は、明星学園高等部
学校規則と称す(以下「校則」と
略)。
(名 称――理事会)
明星学園理事会長より特別指名を
受けた、階位理事役員第三位以上
の者による組織を称す。
(名 称――教職員)
明星学園高等部へ所属する、階位
学園長以下職員を総じて教職員と
称す。
(名 称――役員)
明星学園高等部へ所属する、明星
学園高等部入学試験に合格した者
の内、生徒会長、生徒会副会長、
書記、会計、庶務を総じて役員と
称す。
(名 称――生徒)
明星学園高等部へ所属する、明星
学園高等部入学試験に合格した者
の内、役員を除く者を生徒と称す。
第二条
(対 象)
――――
そこまで読んだところで僕は、ファイルをぱたんと畳み、机へ伏せた。
そして、頭を抱える。
チクショウ、無理だった――。
3ページどころか1ページすら、もたなかった。
動く筈の無い文字の列に目を廻し、吐き気さえ覚えた。駄目だ、こんな状態では業務になんてならない。
もういっその事、
改訂が必要な個所は有りませんでしたと提出するか?
女の子に音読して貰えば何とかなるか?
いやいや、
そもそも読んでくれる女の子が居ないだろ。
何か、何か良い策は無いか?
――そうだ。
気分転換に散歩でもしてくるとしよう。放課後の校内パトロールも生徒会長の立派な仕事だ、――うん。
青のファイルはそのままに、立ち上がった。
勘違いしないで欲しい、そして見限らないで欲しい。
これは逃避では無く、言う所の戦略的撤退なのだ。
働いたら敗けとか思ってないから、絶対。
少し休憩するだけ、
きっと、必ず後でやるから――。
そう己に誓い、
僕は鞄を握って質素な生徒会室を後にした。
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