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一切の趣も感じられない白色で塗装されたコンクリートの壁に、プラスチックタイルの床。
一畳半程の大きさのホワイトボードに、四角く“口”の字状に配置された長机、パイプ椅子。
それと古びた革のソファがあるだけの、小さく囲われた空間。
そこが、
明星学園“生徒会室”だ。
暫く掃除されていないのだろう。
薄っすらと積もった埃とごみ箱で丸められた前任者の宣伝広告が、それを如実に物語っている。
生徒会長就任挨拶より、丁度一週間のこの日、この時。
この小さな世界は正しく、一人の男の所有物であった。
廊下へ繋がる引戸から一番遠く離れた位置、窓際の最も外の世界と近い場所で、
その者は本を手に優雅に憩う――。
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