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2人の老兵は、刀を抜いて対峙し…間合いを気にしながら、じわり…じわりと…動き始めた。
炎が、少し笑みを浮かべながら話しかける。
「龍よ…このまま斬り合うのでは面白くないの…余興で術勝負はどうだ、若い者達に我らの術を見せてやろうじゃないか…」
「…ホ…ホッホッ…それは面白いの…やってみようか…」
この戦で死ぬことに、なんの意義もない事は皆周知のことだ。 ここにいる者達の大半は、無駄に死ぬこととなるのだろう。 ならば、敵も味方もない。 戦い方と生きる為の術を、見て学んで…1人でも多くが生き残ってほしい…
2人の気持ちは、周りで見ている若い忍び達に伝わったようだ。 全員、刀を鞘に戻し静かに見守っている。
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