平成元年

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 弍が感動して見ている。 「お2人とも、素晴らしい技術だ…もっと見たいが、そろそろ決着をつけるようだ」  満面の笑みで斬り合う2人だったが、刀を鞘に戻し…互いに居合いの術に似た構えをとった。 「…これが…最後かの…」 「うむ…楽しかったのう…」  互いに、一太刀づつ斬りつけて倒れ込んだ。 「あ…あの世で今度こそ…酒を酌み交わそうな…アニ…」 「…おう…先に死んで行った者逹ともな…みなで腰が抜けるほどに…飲もうぞ…」  2人は息絶えた。 しかし、表情はとても晴れやかで笑みを浮かべていた。  弍が、相手側のリーダーに話しかけます。 「一時休戦だな…この方々を弔わなくてはならないだろう…偉大な方達だった…」 「その通りだ…後程、また闘うとしようか…」  全員で2人を丁重に埋葬し、他の死傷者の回収も行った。
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