3人が本棚に入れています
本棚に追加
1989年
天皇陛下が亡くなり、年号が『平成』へと変わった。 国内では、企業や商店に自粛という名の世間体を気にしたアピールが横行しているが、一般人達にはどこ吹く風で何も気にしてなんかはいない。
しかし、裏家業の世界では非常に忙しい事態となっていた。
皇室に変化があった事で政界にも影響が出て来て…人知れず、政権争いに関わる凄惨な闘いが勃発していた。
蒼空は、新しい党首として一族を取り仕切り相変わらず裏家業を続けていたのだが、これに関わる仕事を年号の変わる半年程前から行っていた。 だが、余りにも烈しい闘いの為にベテランの工作員が何人も死んでしまい、蒼空達一族にとって非常に苦しい事態となっていた…
「…壱、弐…私達は暫く休業して、工作員の補充と育成が必要だと思うが…どうだろうか?」
党首として、蒼空は壱と弐に意見を求めた。
「蒼空様の気持ちはわかるが、今は難しいだろう。 他の同業者もみんな同じような状態だ、内情を公開などしたら潰しに来られる…皆殺しになるぞ」
最初のコメントを投稿しよう!