平成元年

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「そんなこと言ってもさ…もう手練れの者が少なくなってしまったよ…参と捌(八)と玖(九)も死んじゃったし…下草達も随分死んじゃったもの…」  党首を務める蒼空にとっては、一族を率いる為にも切実な問題だ。 壱と弐が口を揃えて言いう。 「…わかっているが…今は我慢の時だ…耐えるしかない…」  冷徹に言うが、2人とも辛そうな表情を浮かべている。 「ところで、話が換わるが蒼空様…結婚の決心はついたのか? 木菟様と鵺様も気を揉んでいらっしゃる…私も弐も、そろそろ誤魔化しが効かなくなって来たよ…」 「んん…今それを聞くの? んんー…まだ決心出来ないよ」 「な…俺達のことが嫌いか?」  弐が真剣な顔で聞いて来ます。  本当は…弐のことは大好き…壱のことも、怖いけれど広くて深い愛情を感じる…だけど私は…許されるなら、両方のお嫁さんになりたいとずっと思っていた…2人とも大好きで選べないよ…  そんな欲張りなことは言える訳もなく、有耶無耶に誤魔化そうとする蒼空。
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