平成元年

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 いいな…彼女達みたいに平和な生活をしてみたいな… 『クック…まぁだ…そんな甘い事を考えているの? いい加減に諦めなさいよ…逃げられないわよ…』  いいや…絶対に、この地獄の世界から抜け出してやるわ…  蒼空は、いつもの自問自答を繰り返します。  さて、今夜からの任務が始まります。 今回は数日かかる任務で、非常に危険な内容だ。 敵方の同業者と全面対決をする可能性が高いのだ。  1から10番隊内の選りすぐりメンバー達が選出されていき、それにプラスし今回は…もう引退していたのだが、蒼空の両親である木菟様と鵺様も直轄部隊を率いて特別にカムバックをした。  部隊内は皆、今までにない緊迫した空気が漂っている。  木菟と鵺の直轄部隊とは?  全員、表向きは引退した者達で構成されており、実力は壱と弐の同格以上。 しかも、多彩な技と術を使いこなす忍としてのエキスパート集団なのだ。 普段は絶対に表へ出て来ない彼等が集まったということは、今回の戦闘が生きて帰ることが非常に難しいことを示す。  だから皆、緊張でピリピリとしているのだ。
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