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「…技は理解出来ましたが、我々では無理ですね…木菟様だから出来るのですよ…」
この技は、異常なほどのスピードとパワーで相手の身体をエグるだけの…
ただの、力業だった。
とても怖ろしい技だが、みんな呆れてしまった。
豪快に笑っていた木菟だったが…落ち着いた表情に戻り、蒼空に付いた敵兵の血を優しく拭き取り始めた。
「蒼空…すまんかったな…もう少し早く気付けば、こんな目に合わせなかったんだが…」
木菟の目は、優しい父親の目に戻っていた。
「今、こんな汚い血なんか…全部キレイに拭き取ってやるからな…」
そんな父に蒼空は返事をするが、まだ口が封じられていた。
「んーんー!」
「ん? 何だい蒼空?…大丈夫だよ、パパが全部キレイに拭いてやるな…」
蒼空は、憎悪の目で父を睨み付けながら唸る。
「んーんーんーんんんー!」
訳(親父! 早く縄を解け! 裸は恥ずかしい!)
木菟は、優しい慈愛に満ちた笑顔で蒼空に話しかける。
「…娘よ…日本語をちゃんと話しなさい。 何だかわからないぞ…」
顔を真っ赤にして、父を睨みながら唸る蒼空。
「んーんんーんーんーんー!」
訳(親父! わかってて惚けてるだろ!…ぶっ殺す!)
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