人間 真子

6/7
前へ
/21ページ
次へ
 過去の自分…蒼空は、真子を応援してくれた。 そして、心の奥底で眠りに就いてしまった。 もう、起きてくることはないのだろう。  この自問自答の後…真子は吹っ切れたようで、とても力強い表情となった。  気付けば、もう3時を過ぎている。 そろそろ出発をしないと家に着く頃は夜になってしまう。  気温も下がって来たので帰宅の準備をしていた時に、遠くで男の悲鳴が聞こえた。 なんだか聞き覚えのある声だった。 「…まさかね…」  少し不安に思いながら森から出てくると、泥だらけになった仁がフラフラとさまよい歩いていた。 「ああっ…まこぉ! やっと見つけたよ! もお…ここまで来るのに大変だったよ。 山の斜面から2回も転げ落ちてさ、ボロボロになっちゃったよ」
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加