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関東のとある駅前で、終電車が終わってしまい途方に暮れる男がいた。 このまま飲みに行くか歩いて帰ろうか…考えながら歩いている。
強面な上に大柄で、ガッチリとした身体の男だったが良い目つきをしていた。
彼は結局、朝まで飲みに行くことに決めて繁華街の方へ脚を向け、また歩き始めた。 何を飲もうか思案して歩く先に、女性が1人座っているのが見える。 きっと、彼女も終電車が無くなり途方に暮れているのだろうと、気の毒に思いながら前を素通りしかけたのだが、顔が少し見えた瞬間に脚が止まってしまった。
彼女は、泣いていたのだ。
しかも、尋常な泣き方ではなかった。 涙も声も出ていないが、今まで見たことが無い程の深い悲しみを抱えた泣き方だったのだ。 彼は、彼女の泣く姿に釘付けとなってしまい、目の前で立ち竦んでしまった。
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