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サァ―――
「ん、」
春、真っ只中。
桜の花びらがヒラヒラと舞う、この季節。
私、杉原恋歌(スギハラレンカ)は眠たい目を無理やりこじ開けた。
今日は、高校の入学式。
私は、今日から高校一年生になる……のだが…
「眠い…」
私は、極度の眠たがり?と、言うか…なんだろ。一回寝たら起きない?←
今までも、私はこの大きな大きな桜の樹の、ちょうどよく出ていた枝に体を乗せて寝ていた訳なんですが…
「いや…寝たりない……」
睡眠が欲しい…
大きな欠伸をしつつ、桜の樹から飛び降りた。
「うわっ」
「?」
おっと、下に人がいたのか…。
その人物は、とっても驚いていたようで…
「ビックリした……まさか、女のコが落ちてくるなんて…」
「ハァ…?すみません?」
とりあえず、私は入学式に行かなきゃだから、その場を去ろうと、その人に頭を下げ、
「驚かせてすみませんでした。……私、そろそろ入学式始まるんで、失礼します。」
そう言って歩き出そうとした私の腕を、その人は掴んだ。
「ちょっと待って、君…新入生?」
「そうですけど?」
私は、ようやくそこで顔をあげてその人をみた。
髪は、太陽の光に煌めくような金髪。瞳はブルー?ってことは、ハーフか。白馬の王子様か?
目許は、優しげに細めて私を見つめていた。てか、身長以外とあるな…
私がぼんやりとそんなことを考えていると、
「自己紹介をしておくよ。まぁ、いずれ分かるだろうけどね。僕は、白亜憐(ハクアレン)。二年生だよ。」
「はぁ、ご丁寧にどうも…。杉原恋歌です。」
「杉原恋歌?」
私が、名前を言うと聞き返してきた白亜先輩。
「なにか?」
私がそう言うと、白亜先輩は首をふり、
「なんでもない。」
と言うと、ジッと私を見つめてきた。
?、なんで?
……ま、いいか。とりあえず、遅刻する←
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