文月

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白い天井、白い壁、白い床。 目がおかしくなって全てが白く見えているだけなのか、本当に白しか色のない空間なのか。 どうしてこんな処にいるのか、いつからこんな処にいるのか。 なにも分からないが、この先には何かある――そんな直感だけを信じて歩き続けている。 どこまでも続くと思われていた道の先に、急に階段が現れた。 今度は延々と階段が続くのだろうか、と怯えながらも昇り始めると、すぐに扉が現れた。 店の裏口に使われていることが多いシンプルな鉄の扉だ。 此処はどこなのかも此処にいる理由も、この先に広がる景色を見れば全てが分かるはずだ。 何故だかそう確信してドアノブに手を掛け、重そうな見た目に反して全く重量を感じない扉を開ける。
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