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祖父を懐柔するために、まず祖父は父に対してはどんな態度を取っていたのかを調べました。
祖父の一人息子である父は、一条を継がずに画家になりたいと言っていました。
祖父の強い反対を受け、一条を出て舞台俳優をしている祖父の弟を頼りに家出をして、美大に入りました。
しかし美大の卒業式に屋敷に連れ戻されてしまいます。
「自由にさせてやったんだ。婚約者も用意した。跡を継げ」
「結婚相手を自分で決められるならば継ぐ」
執拗な祖父に一条の鎖を解けないと諦めた父は、一緒の美大に通っていたロシアと日本のハーフの恋人と結婚をして一条を継ぐことになりました。
しかし妹を身籠った母が臨月の時に、父は海外で事故死。
母も妹を産み落とすと、産後の肥立ちが悪く父の後を追うように他界。
祖父は、母が父に不幸をもたらしたと考えたようでした。
選ばれた高貴な血でなければ幸せをもたらさないという考えに至ったのです。
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