二鷹

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ガヤガヤ賑やかな内部には、初詣帰りなのか着物姿の人がチラホラ見受けられる。 「やっぱ人多いねー。体感温度が3度位上がるwww」 「暖房が効き過ぎなのだよ…」 人混みを縫うように歩いた二人はようやく目的の店にたどり着いた。 「って、ペットショップ?なにすんの真ちゃん?」 「忘れたのか?緑の首輪を買うのだよ」 顎に手を当て考えていた高尾はポンと手をたたいた。 「あ、銭湯で言ってたあれか。だったら俺此処で待ってるから買ってきたら?」 「何を言っているのだよ?高尾、お前が選べ」 「え!?ちょっ、まって!?」 高尾の静止も虚しく、緑間に手を掴まれズルズルと店内に引きずり込まれてしまった。 「緑の首輪、だよね?」 「緑ならば、どれを選んでも構わないのだよ」 暫く悩んだ末、高尾が手に取ったものは、チョーカー型のシンプルだが先の方に鷹と思しきアクセサリーが小さく付いている物だった。 「確か鷹で合ってたよね?」 「あぁ。買ってくるから待っているのだよ」 緑間がレジに行っている間高尾は、緑間の飼っている鷹はどんな色をしているのか、など考えていた。 「高尾、こっちに来い」 清算が終わったらしい緑間が高尾を呼び何の疑問も持たずに高尾は緑間に近づく。
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