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「な、何ということだ!」
「うぇっ?な、何!?敵襲!?」
新年早々、そこまで壁が厚くないアパートに緑間の声が響きわたる!
それは、昨夜の忘年会で熟睡していたはずの高尾を一撃で叩き起こした。
「し、真ちゃん?どったの、その顔効果音背負ってるみたいだぜ!」
つまり、何故そんな深刻な顔をしているのか。
高尾の問い掛けに、涙さえ流しそうに眉根を寄せた緑間の口が動く。
「は……つゆ…め」
「初夢?それがどうしたの?」
バッと顔を上げ緑間は高尾の肩をわしづかむ。
「初夢を見てないのだよ!」
「へ…?わ、わんもあぷりーず?」
「何度でも言ってやる!俺は!初夢を!見てないのだよ!」
焦りなんてめったに見せない、我らがエース様が、必死に俺の肩をつかんでいる。
その時、高尾は決意した。
{真ちゃんを絶対に守って見せる} と。
「真ちゃん、俺どうすればいい?」 なんでも良いから、俺に真ちゃんを守らせて。
そう言って高尾は笑う。
いつもの笑いとは違う、優しさに溢れた笑み。
その笑みを見て、緑間から適度に力が抜けた。
「すまないのだよ…。少し、いや。かなり焦って取り乱した。」
「うん。じゃあ、何であんなに焦ってたのか、ゆっくりで良いから教えて?」
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