一富士

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「や~っと着いた~」 「休んでいないで早く来い。今日はラッキーアイテムを持っていないから、何が起こるか予想できないのだよ!」 「げ、忘れてた。てかよく此処まで無傷でこれたね!新記録じゃん!!」 ラッキーアイテムを忘れた日には、それこそ歩く度に不幸な目に遭ってしまう。 もしかすると、学校の行き帰りだけで3,4回死にかねない。 因みに、一番危なかったのは するりと足の間に黒ネコが入って来たのに驚いて半歩下がった瞬間、猛スピードのトラックが背中を掠めた時らしい。 その時、命の危機より先にネコが気になったと言うから驚きだ。 「ねぇねぇ、真ちゃん?風呂入んの?」 「当たり前だ。まあ、正月も営業しているか解らないのだよ」 今居るここは自転車(?)を駐輪場に置くために寄ったまで。 高尾と緑間は出来るだけ早歩きで、かつ辺りを観察して進む。 何より此処は交通量の多い車道。 気を抜けば、バッと通ったトラックだとかが突っ込んで来るかもしれない。 実際突っ込んできたら避けれないだろ、しかも運転手放置かよ! なんて思ったら負けだ。 ホークアイと部活で鍛えた体をフル活用しなければ、今の人間掃除機状態の緑間と無傷で生還するのは、夢のまた夢だ。
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