一富士

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そう言って バン!! と効果音が付くような勢いで手を緑間の眼前へと突きつける。 「…コーヒー牛乳?それがどうしたのだよ」 「風呂上がりの一杯!銭湯と言えば湯上がりのコーヒー牛乳、これに尽きる!」 ニコニコ笑う高尾とは対象的に緑間の表情は半ば困惑気味だった。 「それはそんなに美味しいのか?」 「え?真ちゃんコーヒー牛乳飲んだこと無いの!?」 「俺の基本飲料はお汁粉なのだよ」 「お汁粉って、どっちかってーと食べ物だよね…。まあ、それはさて置き、真ちゃんコーヒー牛乳飲む?」 眼前のコーヒー牛乳を緑間は手に取り、蓋を開ける。 「一気!一気!一気!」 まるで宴会のノリではやし立てる高尾を一瞥し、緑間はゆっくりと瓶を傾け、コーヒー牛乳を飲み干した。 「感想は?美味しい?」 「お汁粉ほどでは無いが…不味くは無いのだよ」 「おお!良かった、これで不味いとか言われたらどうしようかと」 手に持っていた空の瓶を棚に置き、緑間は外へと歩き出した。 慌てて高尾は、自分の分のコーヒー牛乳を飲み干して緑間に走り寄る。 「ちょっ、真ちゃんおいていかないでよ!」 「お前が遅いのだよ。早いとこ富士山と茄子を見なければ」
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