相性#2

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「出なくていいのか? それとも俺が居たら出にくい相手とか?」 本当にどこまでも勘の良い男。 嫌なくらい…… さすがに「はい」となんて言えなくて口を噤んでいると 「冗談。 でも他人の電話を聞く趣味はないから……」 自販機から缶コーヒーを取り出すと 「じゃあな」と身を翻して 喫煙室へと消えていってしまった。 多少の棘は感じたが、 佐藤さんが居なくなってくれて助かったのは事実。 私は缶コーヒー片手に 人気のない場所へと移動すると 「はい」 未だに鳴り止まない ストーカー気味の電話に渋々、出た。 .
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