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「出なくていいのか?
それとも俺が居たら出にくい相手とか?」
本当にどこまでも勘の良い男。
嫌なくらい……
さすがに「はい」となんて言えなくて口を噤んでいると
「冗談。
でも他人の電話を聞く趣味はないから……」
自販機から缶コーヒーを取り出すと
「じゃあな」と身を翻して
喫煙室へと消えていってしまった。
多少の棘は感じたが、
佐藤さんが居なくなってくれて助かったのは事実。
私は缶コーヒー片手に
人気のない場所へと移動すると
「はい」
未だに鳴り止まない
ストーカー気味の電話に渋々、出た。
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