第1話

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昼を過ぎ暖かな日差しと柔らかい空気が教室をつつむ。 我が高校の学年主任である針田が黒板に綺麗な正弦波を描いている。 お昼を食べた男子高校生には絶好の睡眠時間であった。 私は教室で寝る寸前のふわふわした時間がとても好きだ。 頭のなかがぼんやりしてきて自分が何を考えているのかもわからなくなる。 退屈な授業から半強制的に別の世界へつれだされるようなそんな感覚。 私はチョークの音が小さくなるのを感じながら机に身体を任せる。 ここは私の天国だった。
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