1.宣戦布告

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 そう結論付けることがこの番組の目的であり、その結論を否定すべき超能力肯定派は、ここまで全く以って支離滅裂で、スタジオに居座る否定派だけでなく観覧客からも鼻で笑われるような状態だった。  今日の討論に招かれた面々は、否定派として大学教授、医師、政治家。  肯定派にはオカルト出版社編集長、霊能力者。  中立派や賑やかしの盛り上げ役として、バラエティでよく見る驚き役のタレントや知性派と言われるタレントの姿があった。  もちろん、対決するマジシャンと自称超能力者も座っている。  その中に知性派タレントとして銀縁の眼鏡をかけた小松敬之の姿があった。  小松はすでに五十を超えたタレントで、もともとは俳優だったが、その高学歴と豊富な知識による淀みないトーク力から、様々な番組のコメンテーターなどを依頼されることが多い。  彼が座る席は、司会・古田から見て左手側の一番端。  否定派の席だった。
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