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****** 目が覚めた瞬間、何か重いものが乗っているのに気付いた。 「……おも…。何だコレ」 寝返りを打とうとしたが、全く体が動かない。 しかも少し動いただけなのに、尻と腰がとてつもなく痛んだ。 あぁ、そうだ。 ようやく、やっと、シたんだ。 半年前に付き合いだしたはいいものの、元々知ってはいたがヘタレぶりを大発揮してセックスはおろかキスさえもされない状態だった。 手を繋いだのもこの間のクリスマスの時。 中学生未満かよ、と笑ってしまう。 「最近じゃ小学生だっておまえ以上にマセてるんだからな」 盛大に寝息をたてて眠る恋人の鼻を摘んだ。 大きな腕を回してきているのが動けない原因だった。 ……これじゃあきっともう夜だろう。 カーテンの向こうの暗さを予想する。 折角の正月だってのに、雑煮もおせちも食べ損ねた。 それにすごろくや百人一首をして遊び倒しつつお笑いも見ようと密かに考えていたのに、その計画が全てパァだ。 でも、そんなこと、どうでもよくなる。 メイドコスプレをしても、ゲイビを見せても、全く行動をおこさなかったこいつがやっとその気になってくれたんだ。 今年のお年玉は、十分すぎるぐらい貰えた。 幸せ、あぁ…幸せだなぁ。 こうして好きな相手の腕の中に居る。 俺がゲイでバリネコなのをこいつはまだ知らない。 だけど普通のノンケなこいつが、男である俺に好きだと言ってくれて、しかもこうして体を重ねられた。 これ以上の幸せって無い。 次に目が覚めたら。 正月の朝に起こしてくれなかった事を怒ってやろう。 それからきっと俺の機嫌を取ろうとしてくるこいつを横目で見ながら、心の中では笑ってやろう。 そんな風に、これからも一生一緒にいたい。 あけましておめでとう。 今年もよろしく。   
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